冷間ロール成形 ドローイングとフォーミング 1

こんにちは。ドローイングによる冷間ロール成形を得意とする宗和工業(そうわこうぎょう)の岸野です。

 お客様とのお話でよく出てくる質問に、宗和工業で行っている冷間ロール成形の「ドローイング」と「フォーミング」って何が違うの?というものがあります。

 

まず、冷間ロール成形がどういったものかというと、ロール型(以後ロールと表示)と呼ばれる金型を多数用いて、薄い板状の金属を連続して曲げていくという加工法になります。

 

例で載せている図(冷間ロール成形)では2回ロールの間を通すことでチャンネル形状(コの字形)を作っています。(実際にはもっと多数回に分けて曲げていますが、わかりやすくするため2回で例示しています。)

 さて、本題のドローイングとフォーミングですが、簡単に説明すると

 

ドローイング(図:ドローイング)

機械で材料を掴み引き抜く。

 

フォーミング(図:フォーミング)

ロールが動き、そのロールによって材料が押し出されていく。

 

 

となっています。材料とロールがどのように動くのかが大きな違いになっており、この違いによって各々特徴が出てきます。



  冷間ロール成形
   ドローイング フォーミング
生産性 ・製品の切断から引っ張りまでの間に非加工時間が発生し、生産性が良くない ・コイルが終わるまで加工し続ける為、生産性が良い
歩留り

・材料を掴んだ部分は変形し、破棄するので歩留りは良くない

・コイル始終端以外破棄する部分が無いので歩留りは良い
金型 ・ロール(金型)をコンパクトにできる

・ロール径が大きく、段数も多くなる

汎用性 ・一つの機械で製造可能な材料の板厚の範囲が広い ・機械毎の製造可能な板厚の範囲が狭い
形状対応力 ・極小Rの角、部分圧延、180度密着等の形状を作れる、複雑な形状を作りやすい ・極小Rの角、部分圧延、180度曲げ密着等、特殊、複雑な形状は大型機械しか出来ない
 その他 ・製品の形状、仕様により、ロールマークと呼ばれる変形が生じる  
特徴 中ロット・多品種生産に向き、複雑な形状まで対応できる。 大ロットの製品に向いており、コストは安い。機械による形状への制約が大きい

上記の表にドローイングとフォーミングの主な違いと特徴について簡単にまとめました。

 

いかがでしたでしょうか?
今回はドローイング加工とフォーミング加工の違いについてご説明しました。

次回は、ドローイング加工とフォーミング加工の生産性や歩留まりの違いについて詳しくご説明します。

ご参考になれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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