社員のみなさん、御家族のみなさんへ
いつも社業への貢献、ありがとうございます。
今日は宗和工業がお客様に何を提供しているのかについて書こうと思います。
みなさんが、「あなたの会社はお客様に何を提供していますか?」と聞かれたら何と答えますか?
私が初めてこの質問をされたのは今から8、9年前に当社のメインバンクである大阪シティ信用金庫さん(当時は大阪東信用金庫)が主催していた勉強会ででした。その当時の私の答えは「鉄やステンレスを曲げたレール材です」でした。続けてそれはお客様にとってどんな価値がありますか?と質問されたので、「お客様によって変わり、階段の滑り止めとしての価値や、機械の部品としての価値があります」と答えましたが、講師の方は納得がいかないようで、色々と問いを変えながら質問したり、説明されましたが私は意味が分からず「鉄の材料を買ってきて、それを曲げてお客様に販売することしかしていないのに、それ以外のものはなにかと聞いてくる、この講師は何が言いたいのか」とモヤモヤしたまま勉強会を終えました。それから何年間かたまに思い出しては、あのとき講師の方は何を言いたかったのかと気になっていました。そんなとき、たまたま受けた研修で答えを教えてもらうことができました。販売力をあげるにはどうすればいいかという研修の中で、「お客様は何に対してお金を払っているか知っていますか?商品やサービスに対してお金を払っているのではありません。商品やサービスを通して得られる価値に対してお金を払っているのです。その価値とは快適さや利便性といった快適感情をえられること、不満や不安といった不快感から逃れられること、払った対価以上の価値があるととらえることです。」という説明があったのです。
宗和工業に当てはめてみると、あるお客様は今A社から商品を買っており、長い納期に困っていました。(不満)宗和工業は今の会社の半分ぐらいの納期で納めることができることを評価してもらい、新たに販売を始めることが出来ました。(不満の緩和、解消)この場合、お客様は商品ではなく、短い納期を評価し、価値を認めてくれました。これが「あなたの会社はお客様に何を提供していますか?」の答えです。この場合なら、お客様が欲しい時にすぐに手に入るという利便性を提供しています。この何を提供しているか、逆に言うとお客様は何を評価してくれているのかは非常に重要です。この業界に入ってしばらくして思ったのが、、他社でもつくれる商品が多く、どこが選ばれるかは高いか安いかの値段だけで決まる。お客様にとっては宗和工業じゃなくてもいい、どこで買ってもいいんだろうな、という虚しさです。しかし、よく見ていると他社より高くても買ってもらえること、他社より安くても買ってもらえないことがあることに気が付きました。その理由がこのどんな価値を提供しているのか?という部分です。宗和工業では特に、製品の精度、品質、短納期、安定供給、お客様の希望する形状を出せる、きれい、という部分を評価していただくことが多いです。
より多くのお客様に、私たちの価値を知っていただくために、まずは私たち自身が【強み】を知ること、お客様が今本当に求めていることは何かを知ることが大事だと思います。皆さんと一緒にお客様のことを考える機会を創りたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
2022年2月25日
宗和工業株式会社 取締役社長 岸野真悟